「ちゃんと指示してるのに、動かない…」って感じたこと、ありませんか?
「言わないとやらない」
「なんで“当たり前”が伝わらないんやろ」
「結局、自分が全部見ないと回らへん」
…これ、プレイヤー兼経営者にありがちな“あるある”ですよね。
最初は勢いで引っ張ってたけど、人数が増えてくると、
トップダウンだけでは組織が回らなくなる瞬間が、必ず訪れます。
でも実はこれ、「限界」ではなく「進化のチャンス」なんです。
トップダウンの限界って、どこにある?
トップダウンが機能するのは、「小さな規模・短期の成果」に強い時。
でも、組織が少し大きくなってきたり、変化に対応する柔軟さが求められる場面になると…
- 指示待ちが増える
- 自発性がなくなる
- 意見が出なくなる(本音が消える)
- 「社長の言うことをやるだけ」の空気が根づく
これって、“動かす組織”から“動きづらい組織”へ変わってしまった状態なんですよね。
心の問題じゃない。「行動設計」の問題なんです
「やる気がない」
「主体性がない」
こう見えても、ABA(行動分析学)で見れば、実はシンプル。
人は、“行動したくなる設計”がされていれば、ちゃんと動く生き物です。
ABAで見る、トップダウン組織がハマる“行動の罠”
行動科学では、すべての行動はこの流れで起こるとされています:
先行刺激(指示) → 行動 → 結果(報酬 or 罰)
トップダウンが多い組織では、これがどうなってるかというと…
ありがちな悪循環
- 上司の指示(先行刺激)
↓ - 指示通りに動く(行動)
↓ - フィードバックなし or 修正ばかり(結果)
→ 行動の強化が起きない → 自発的に動かなくなる
自走するチームは「指示」ではなく「行動が続く設計」でできている
では、どうすればいいのか?
答えは、“行動に報酬がつく設計”に変えること。
つまり、やった行動に“すぐ・小さく・嬉しい”反応が返ってくる文化をつくることです。
トップダウンから“行動文化型”への3つの実践ステップ
①「指示」から「きっかけと確認」に変える
トップダウン:
「この案件、明日までにやっておいて」
行動文化:
「明日までにお願いしたいんやけど、どこがネックになりそう?」「終わったらこのスプレッドシートにチェック入れてね」
→ 指示ではなく、**“行動を促す環境”+“確認できる仕組み”**に変えるだけで動きやすくなります。
② 小さな行動に“反応”を返す
完璧な成果じゃなくていい。
動いたことにすぐ反応を返すことで、行動が強化されます。
例:
「その一歩、ナイスやん!」
「早めに動いてくれて助かった!」
→ これだけで、“またやろう”の循環が起きます。
③ 指示を出す役割を“分散”する
いつも社長が指示を出してると、
組織が“社長専用マニュアル”になってしまう。
なので、
「この件はAさん主導で進めていいよ」
「進め方は任せるけど、●日だけ中間報告してくれたら安心」
というふうに、行動の主導権を少しずつ渡していく設計が有効です。
最後に:トップダウンの“限界”は、組織が成長してる証拠かもしれない
最初は“動かす”でよかった。
でもこれからは、“動き続ける文化”を仕組みで育てる時期かもしれません。
トップダウンは悪ではないけど、
行動設計をアップデートしないと、「止まる組織」になってしまう。
だからこそ、
「指示する」から「行動が起きる場をつくる」へ。
この視点に切り替えるだけで、組織はもっと軽やかに動き出しますよ。
試せそうなところから、まず1つだけでもやってみてくださいね。
変化の種は、小さな行動から生まれます。笑
元イルカの調教師で、応用行動分析学を使った行動デザインコンサルタントの櫻井 祐弥です。