組織にいるスタッフ1名が、なかなか厄介で…
と言う話を耳にしたので、感じたことを書きますね。
組織を作っていくにあたって、こうした話とかお悩みって
どうしても出てくるので、何かしらの糸口になればと思います。
オンボーティングとは?
人材の入れ替わりが激しい時代。
新しい人を確保しても定着しない。なんて悩みも経営者を悩ます大きな課題ですね。
そういえば数年前の、私が現在の形になる前の話。
お客様と課題や目標の確認作業をして、計画も立てて、いざスタートして‥という段階で
「人が足りない」
という問題にぶち当たり、頭を抱えた覚えが…
おかげで「人材の確保定着教育評価」の重要性を学び、一貫してサポートできる体制を整えるきっかけになったんですが、人がいない「猫の手も借りたい」な状態であったら、目標達成は程遠いですね…。
特に、採用して数ヶ月で辞められてしまう。
なんてのは、企業側にとって大変な問題。
軽く調べると、新卒で657万円、中途で774万円と同等の損失だそうです(恐怖!)
そこで最近は「オンボーディング」という言葉が注目されています。
新人が慣れる前に辞めてしまうを回避するために、企業やチームに慣れる様々な取り組みのことですね。
損失額を考えると、オンボーディングに企業が力を入れる理由も分かりますね…笑
行動科学的オンボーディング
よし、櫻井。オンボーディングの重要性は分かったから、具体案を出せ。
そうですね笑
では、行動科学の視点を持ってオンボーディングを進める具体案を話しましょうか。
ちなみに、すこーし専門用語が入ります。
頑張って読んでね。
まず、大前提の話。
人間を含め、動物は「変化」を敏感に感じます。
オンボーディングはこの「変化」に気づかなくさせる「慣れさせる作業」がポイントです。
これを行動科学(以下、ABA)では「馴化(じゅんか)」と呼びます。
この馴化には2種類の方法があります。
亜馴化(あじゅんか):いきなり環境に入れて慣れさせる。
脱感作(だつかんさ):少しずつ刺激に慣れさせる。
この2つは、それぞれ一長一短があって、使い分けます。
ただ、基本的に意識して使うのは後者の「脱感作」です。
新人が環境に慣れるを考えるときに、オンボーディングを意識しない場合は前者の亜馴化が採用されている状態です。
亜馴化について
これ、イメージで伝えるとしたら部屋の爆音(音量MAX騒音レベル)に慣れさせるのに、部屋に直接いきなり入れちゃって、耳が慣れるのを待つ。
みたいなイメージです笑
まぁ、時間が経って慣れてくるよね。みたいな。
この方法のメリットは、早く環境に慣れる。というのがあります。
が、
刺激が強すぎた場合、デメリットが大きく作用します。
それが逃避と回避ですね。
要するに、ミスれば新人は退職します。
おそらく、現状の日本に起きてる採用した新人がすぐ辞めるのは亜馴化が失敗した末路です。
脱感作について
では、後者の「脱感作」を採用しましょう。
脱感作は刺激に対して、徐々に慣れさせる手法です。
メリットは本人が気づかない間に慣れてしまって、気づけばそれが当たり前になっている。
デメリットは時間がかかること、技術的な難易度があります。
ただ、ハマれば効果を長く維持できるので、私は脱感作を意識して使います。
オンボーディングに脱感作を活用
オンボーディングに脱感作を活用する例を考えましょうか。
大きく4つのステップでABA活用オンボーディングを実践します。
ステップ1:初期の評価と目標設定
まずはターゲットである新人の状態確認です。
入社して発生している不安要因は何か?それは取り除けるのか?
こうしたポイントは、今後の脱感作を進める上で超重要。
これを達成するために、初期段階の面談や1on1、アンケートが活用できますね。
この時点での目標設定は「不安の軽減や除去の具体的な対応」が中心になります。
ステップ2:系統的脱感作
新人がリラックスしている状態が大切なので、リラックスできる技術を教育(社内研修でも)します。
新人にとっては、ある日突然に環境が激変しているので、まずはいつもの状態を維持できるようになることが重要ですね。
瞑想やら、呼吸など様々な方法がありますが、この時点で役職ついてる人と合わせるのは、個人的には少しリスクがあると感じます。
前の年に入社した社員と一緒に研修とかはアリですね。
また、新人スタッフが抱える不安を軽いものから重いものをリストアップして、軽いものから解決していきます。
表にしてあげると、本人も自己理解が進むのでプロセスを進めやすいです。
ステップ3:段階的な業務導入
いきなり難しい業務にトライさせても、失敗して折れちゃいますので簡単な業務から導入は基本ですね笑
というか、誰も新人に失敗させたくないですからね。
徐々に複雑なプロセスの業務にステップアップしながら、各ステップでフィードバックとサポートを追加します。
さらにメンター制度を活用しましょうか。
経験豊富なスタッフとペアリングして、関係を気付きながら業務に慣れさせます。
もちろん、最初は失敗しますけど、初期の段階では失敗を許容します。
ただ、やばい失敗は避けたいので「これはまずい失敗だから避けてね」ということを具体的に伝える環境設定は重要。
「この穴に堕ちたらやばい」
を明確にすると、人はそれを避ける行動をとります。
素晴らしい未来を伝えるよりも、やばい避けるべき未来を提示する方が行動の制御が効きます。
ステップ4:継続と維持
この段階まできたら、継続と維持です。
ただ、維持するためには常に前進することが重要なので、新しいことに挑戦させる機会を設けるのが効果的。
ステップを挙げる目安は8割OKが出せるかどうか。
完璧を求めると、現状を維持する意識が働いて挑戦する行動が出にくくなります。
この見極めが重要ですね。
専門家やコーチを導入することで、メンターから手離れして自立心を養います。
新しい目標に向かって、小さな結果を積み上げ「できる思考」に育てる。
こうなったら、もうオンボーディングは達成されてると思いません?笑
ABA活用オンボーディングのメリット
さて、長々話してきましたが、いかがでしょうか?
行動の仕組みを活用したオンボーディング。
かなり効果が高いと思っています。
というのも、生き物が生き続けるためには行動が重要。
その仕組みや原理原則を活用しているので、当然効果的です。
では、具体的にABAを使ったメリットってなんでしょう?
簡単にまとめますね。
1:新人が業務に対する不安を段階的に克服、自信を持って業務に取り組めるようになる。
2:メンター制度によって新人と既存社員の間に信頼関係が築かれ、チーム全体の連携が強化される。
3:継続的なサポートによって、新人の離職率を低下させ、長期的な定着を促進する。
このプランを実施することで、新人社員がスムーズに職場に適応し、業務に対する不安やストレスを軽減できるようになります。
今日はここまで!
今回は少し長めでしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました!
新しい仲間の順応を促進する取り組みを指す言葉