行動の改善って、個人から組織のパフォーマンスを上げていく上で、すごい重要な視点ですよね。
特に経営者や管理する側の人間にとって、メンバーの行動をいかに変えていくのか。
という課題は、日々頭を抱える部分かと思います。
今日は「行動改善をする時に重要なポイント」についてお話しします。
有限会社ルブクスの代表、櫻井と申します。
元イルカ調教師で培った「行動を変化させる技術」を軸に、行動の価値を高める活動をしています。(詳しくはプロフィールをご覧ください)
行動改善とは?
ここで取り上げる「行動改善」とは、何を指すんでしょうか?
私は17年間「行動」に向き合ってきた中での気づき。行動には面白い性質があります。
私たちの行動に「完成」はありません。
普段から毎日してる習慣でさえ、少しの変化を起こしながら維持される。
この部分が、17年間の間で感じる行動というものの魅了と感じます。
毎日同じようなことをしているつもり。
なんですが、そこには無意識レベルで変化を起こして新しいパターンを常に求めてる自分がいるわけです笑
ここに「人間らしさ」が生まれてるんだなぁ。ってしみじみ感じます。
さて、余談でしたね。
行動改善とは、この行動の変化を意図的に生み出して「目標達成」まで行動を変えていくプロセスと考えておきましょう。
組織パフォーマンスを高める理由も、利益や顧客満足度を向上させるためですし、元は他人同士が1つ屋根の下で生活して結婚生活を営む上でも、当然行動の変化は重要になります。
常識が違う他人同士が1つの目標に向かうために、それぞれの当事者が永遠に行動を改善し続ける。
櫻井は、この追求にいつもワクワクしております。
行動改善で重要な5ポイント
さて、本題に入りましょうか。
この行動改善を生むために、私たちはどうしたら良いでしょうか?
行動科学的な視点で、重要なポイントを5つ見ていきましょう。
ちなみに、あくまで17年間の経験則に基づいて書いていきますね笑
手前味噌ですが、17年間継続して「行動」に関わっているので、なかなか良い線を行ってると思ってます笑
価値観の把握
行動科学を謳ってる割に、めっちゃコーチングぽいこと言うやん
とか、思いました?
価値観の把握は、イルカ相手にも重要なことですからね?(初めての方へ、私元イルカ調教師でした。)
サバが好きなのか、サンマが好きなのか…運動が好きなのか嫌いなのか…
といった具合に、価値観が行動の方向性を決めると言っても過言ではない。と考えています。
重要なことなので、細かく言いますが
動物は「利己」の生き物です。
自分に利益の生まれる行動を自然と選択して繰り返すようにできていると言っても良いかと思います。
いや、ボランティアとかおるやん?あれは?
ボランティアも、最終的には他者に貢献できていることで幸福感を得たり、企業の場合は節税効果もあるそうなので、社会貢献と両立できて良いですね。
基本的に行動の性質は、自分にとって都合がいいか、悪いかで将来繰り返すかが決定します。
自分にとって都合の良い結果は行動を繰り返す。
自分にとって都合の悪い結果は行動を繰り返さない。
では、アナタはこの重要な「価値観の把握」をどうしたら達成できるんでしょか?
以下のポイントを確認するのがいいかと思います
- 相手が自然と近づいているモノ・事・刺激は何か
- 相手が自然と避けているモノ・事・刺激は何か
- 相手が普段から使っている言葉はどんなのがあるか
相手の価値観を理解する上で「観察」は非常に重要です。
以上のポイントを押さえてみると良いですね。
共通の目標
個人の行動改善をする上では、以上のポイントを押さえるだけで良い線いけるかと思います。
ですが、複数の価値観が集まる組織という中では、ここばかり意識すると結構大変。(おそらく誰もが経験してるんじゃないでしょうか?)
そこで共通の目標を設定する。
やっぱり、まずココが重要になります。
いわば、全員の目的地を設定してあげるだけで、全員の行動改善の方向性を揃えることができるわけです。
特に社会性のある私たちにとって、グループから外れることは痛みや不快感を伴うことにつながります。
同じ方向性を示すだけでも心理的安全性の確保につながります。
これによって、適切な行動は繰り返され、不適切な行動は消えていくという現象が起きます。
適切な行動に対して良い結果をもたらす事で、適切な行動の頻度や強度を増やし、不適切な行動の頻度を減少させる手続き・手法。
この「分化強化」を生むと、アナタの組織に目標を達成するための良い文化が生まれてきます。
変な話ですけど、
売り上げ目標のために、みんなで団結しよう!
的な、熱い感じの組織作りに役立つわけです。(実際は温度差ってありますよね?全体の熱量を高める的なイメージです)
ポジティブフィードバック
上で説明している分化強化を生むために、絶対に外したらダメなのが
ポジティブなフィードバック
動物全般に共通する行動の仕組みは、めっちゃシンプル。
行動の直後に「良い結果」があったかどうか。これに尽きます。
この、良い結果ですが
- 耳障りの良い褒め言葉
- わかりやすい報酬
- 承認欲求を満たす
これらだけではないんですね。
相手の不快の除去というのも、行動を繰り返させる重要な要素になります。
相手が抱えてる課題や不快、不安をアナタが取り除いてあげれる立場なら、ぜひ話を聞いて解決してあげてほしいんですね。
ただ、ここで注意してほしいことがあって…
アナタと相手の関係が悪い、もしくは関係値が低い場合。
そもそも、アナタのポジティブなフィードバックは効果が薄くなることがありますからね。
伝わるか分かりませんが、関係のうっすい人間から褒められても、全然心に響かなくないですか?
あ、褒めていただきありがとうございます。失礼します。
みたいな感じになりません?笑
ポジティブなフィードバックは、あくまでアナタと相手の関係が良好であれば成り立つので、日々の信頼貯金を貯めているか。がめっちゃ重要です。
小さな変化
行動に関しては、すごく矛盾した話があるんです。
そもそも、私たちって「変化を嫌う」んですね笑
だから、現状を維持しようと行動を繰り返します。
でも、ある点では行動を変化させようと試行錯誤を繰り返します。
今をもっと良くしたい!成果を出したい!けど、現状は維持したい。
無茶苦茶ですね笑
聞くだけで「あかんやつ」と思ってしまいますが、これが私たちの本質なのかもね。って感じます笑
特に、いきなり大きな変化を作ろうとすると、必ずと言って良いほど反動が出ます。
これって、三日坊主が習慣になってしまう入り口なんですね。
そもそも、大きな変化を嫌うのが生き物の性質。
なので「小さな変化」こそ、行動改善の重要なポイントになるわけです。
伴走している人たちにも
え!ここまでレベル下げてやるんですか?
と、言われることがあるくらい、小さな変化を作っていきます。
でも、忘れないでほしいのは、小さな変化も時間経過とともに大きな結果の変化に繋がりますからね?
継続できる環境設定
最後は、せっかく生み出した行動の改善を「継続」させるための環境設定。
人の行動は21日間で習慣に、3ヶ月で考え方を変えるまでに至ります。
なので、21日間は継続させたいところですね。
そのためには、メンバーとの協力や「努力に頼らない仕組み」を活用することが必須。
例えば、会社理念を社員に浸透させるとしましょうか。
アナタはどんな方法を思い浮かびますか?
出ました?
ちなみに、私なら以下の感じにしようかと思います。
①会社理念をわかりやすく絵に起こす(画像のはわかりにくいですね笑)
②名刺の裏に印刷
③それをネタに名刺交換で喋る機会を作る。
ここまで、もちろん机上の空論的な感じなので実際にやってみてどうだったか。が重要なんですが、今は一旦置いておきましょう。
解説です。
社員にとって、企業理念というのは興味あるものもいたら、そうでないのもいます。
まず、とっつきやすい状態にするという考えで「絵」を選択しました。
日本は漫画文化なので、漫画でも良いかもですね笑
名刺の裏に印刷することで、名刺交換の際に話題になりやすいですね。
おそらく、何かしらの説明や解説をすることが増えるかと思います。
行動は1回だけでは学習・定着しません。
繰り返し経験と結果を得続けることで、行動に影響を与えるんです。
今回は、何回も会社理念を解説する。
という行動を引き出すために、この手法になりました。
努力せずに、行動を引き出して維持させる仕組みを作る。
ここに、行動改善の重要なポイントが出てきます。
一番、頭を使うポイントですね笑
いかがでしたか?
今回は少し長くなりました。
行動改善をする上で重要なポイントを5つにまとめました。
どれも重要なポイントなので、指導する立場の方に参考になれば嬉しいです。
行動には、必ず変化を求める性質がある。