行動科学の中でも「動機づけ」に関する部分は、すごく重要な視点です。
正直な話、動機づけさえ上手くできれば大体の行動は維持されてしまいます。
まさに伝家の宝刀。
でも
それが上手くいかないのが、世の中ですね笑
そこで今日は
この2つを行動科学の視点で、上手く活用する方法を探します。
2種類の動機づけとは
今回のテーマでもある2種類の動機づけについて。
大前提の話ですが「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」は、人々の行動を理解するために重要になります。
内発的動機づけは個人の内なる欲求や興味から生じる動機づけです。
自己成長や満足感を目指す場合に強力です。
一方で、外発的動機づけは外部からの報酬や認知を目指す動機づけであり、金銭や称賛を得ることが主な目的です。
ここ重要!
内発的動機づけは長期的な動機づけを促進し、創造性や持続的な取り組みを支えますが、外発的動機づけは短期的な成果をもたらす場合があります。
基本的には、両者を適切に組み合わせることが凄く重要で、個人や組織の成果を最大化することが可能です。
どちらか1つで行動を維持させようとすること自体が、不自然な話なんですね。
2種類の動機づけの強みと弱み
上の話を読むと…
いや、分かるけど内発的動機づけの方がいいじゃん?
と、感じてしまいません?
でも当然ですが、そんなことなくて、両方重要なんですね。
もちろん、それぞれに強みと弱みがあるので、それを解説します。
内発的動機づけの強み
内発的動機づけの強みは「持続力」です。
行動科学では「行動内在的強化随伴性」といいます。
行動することで、その行動を維持するための報酬が自然発生、もしくは不快や苦痛が自然消失する仕組みを持っている状態を指します。
例:メガネ
視力が悪い方がメガネをかける。
この行動は、自分以外から報酬を得ることは無くても行動が維持される
行動を学習して、獲得し維持されている状態ですね。
私たちのほとんどの行動が、これにあたります。
内発的動機づけの弱み
内発的動機づけの弱み。
それは、効果が出るのが遅い「遅効性」にあります。
行動を学習して、獲得するまでに重要なのは「試行回数」と言われているんですけど、この思考回数がある一定のレベルまで達しないと、行動を維持するだけの効果を得ることが難しい。
外発的動機づけの強み
外発的動機づけの「即効性」には、敵いません笑
わかりやすい報酬ほど、人の行動を動かすものはないですね…金銭や価値のある物。
こうしたもので、私たちの行動はいつも踊らされます(身に覚えないですか?)
ちなみに行動の学習には試行回数が重要。
といいましたが、そもそも1回目の行動が出た後、2回目が出なければ話になりません。
それを内発的動機づけに頼ってしまうと、あまりにもギャンブルすぎます笑
外発的動機づけは、その点で考えると効果的に2回目に繋げることができるんですね。
外発的動機づけの弱み
弱みは…
①飽きると効果が減少
②外発的動機づけに頼ることでやる気減少
③行動に見合った報酬が必要
軽く挙げて3つ。
一番気をつけないといけないのは、この3つが普通に発生することです。
なので、外発的動機づけを使おうとすると、だいたいこの3つの弱みに触れることになるので、場合によっては効果が期待できないだけじゃなく、足を引っ張ることにも繋がります。
巷で話題になる「報酬はやる気を削ぐ」という現象は、ここにあります。
動機づけ活用方法
では、私たちは2つの動機づけを、どうやって活用したらいいんでしょうか?
ちなみに、この2つの動機づけを上手く使うと
行動を学習させ
習慣に落とし込み
特別な報酬もなく行動の維持が可能です。
その答えは「自転車」にあります。
今住んでいる沖縄では、あまり自転車を乗る方は見かけませんが、地元大阪は、まさに自転車天国!
そんな話は置いておいて…
自転車に乗れる方は思い返して欲しいんです。
どうやって乗れるようになりましたか?
おそらくですが、こんなステップを踏んだんじゃないですか?
①自転車に触れる・補助輪で走る
②後ろから誰かに押してもらい練習
③徐々に補助をなくして転けながら1人で走る
これがまさに、外発的動機づけから内発的動機づけの移行の様子です。
①自転車に触れる・補助輪で走る
自転車に乗ると家族も大喜び!
写真なんか撮ってもらえたり?
ここでは興味づけが済んでいるので、行動が生まれやすいですね。
家族からの承認、賞賛が外発的動機づけです。
②後ろから誰かに押してもらい練習
家族に支えてもらいながら練習です。
懐かしいですね笑
後ろから聞こえる親の賞賛や励ましの声が外発的動機づけ
ですが、自分でもペダルを漕いでいます。
もちろん、コケて痛い目を見ているので、コケて怪我をすることは避けたいですね笑
ここは、外発的動機づけと内発的動機づけの共存です。
③徐々に補助をなくしてコケながら1人で走る
ここまで来れば、自分で漕ぎ続ける行動が、行きたいところに行けるしコケて痛い目を見ることを避けることに繋がります。
内発的動機づけです。
この1〜3の流れにある
外発的動機づけから始まって、徐々に内発的動機づけに移行する形。
これを1セットで活用するのが本来の姿です。
なので
外発的動機づけは大切だ!
いやいや、それじゃダメだ!内発的が重要だ!
この議論が「不毛」という結論になります。
活用のフェーズが違うからですね。両方使うというのが本来あるべき姿です。
呼水(よびみず)的に外発的動機づけを使い、行動の頻度を底上げ。
行動の維持に内発的動機づけを活用。
燃料的に外発的動機づけで「楽しさ」という深みを出す。
人生豊かになりそうですね笑
行動科学ってほんと面白いですね笑
今日はここまで!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
内発的動機づけと外発的動機づけ