行動科学の面白い視点って、心理を見ないことなんです。
心理学のくせに、心理を見ない。
だからこそ、心理がよくわかる。
みたいなニュアンスですが、伝わりますかね?
例えば
「仕事が忙しい!重要なことやる時間がない!」
と嘆いている経営者がいたとします。
口では、嘆きを叫んでますが、行動は忙しく働くことを繰り返している。
本心はどうでしょうか?
本当に忙しくなりたくない!
と思ってますかね?
そう。
忙しいことが喜ばしいんですよね。
だから、行動は繰り返されます。
だって、嫌ならやらないですもん。
でも、ここで心理を見なくていいんです。
要は「忙しいほうがメリットがある」
この環境があるから、忙しさを維持するんですね。
これが行動を主役にした、行動科学の視点です。
さて
そんなこと言っても、忙しかったら大切なこと進める時間も無いですね。
今日は行動科学を使って、時間を管理するテクニックをご紹介します。
目標行動を明確にする
行動科学では、
「目標行動(もくひょうこうどう)」
というワードを使います。
目標の設定を状態で表現するのではなく、目に見える行動として設定します。
運動で例を挙げるとしたら…
1日スクワットを100回する。とか
その際に、膝を90度曲げる。って感じ。
この目標行動が具体的であれば、それだけ達成するまでの確度が上がりますし、課題が明確になりやすいですね。
では、時間を管理するの目標行動は何ですかね?
例えば…
・時計を確認する
・時間を記録する
・タイマーを起動させる
なんかが挙げられますね。
時間を守る時なんかは、絶妙に、微妙な時間設定をする。なんてのも、効果的です。
会議の時間を「90分」にするんじゃなく「86分」にする、とかね。
そしたら、会議に参加してる人たち皆んな、時計気にして会議に参加しませんか?笑
行動パターンを把握して改善
普段の生活で、自身の行動パターンって把握されていますか?
朝起きる→カーテン開ける→リビングに移動→コーヒ淹れる→シャワー
みたいな感じです。
なんとなく動いてるようで、自分自身の好きなパターンというのが自然と存在しています。
これが行動を維持できる正体だからです。
結果は、行動がもたらした1つの現象や答えですから、望まない結果を生んでいるパターンを見つけて改善することができれば、時間が足りないということもなくなってきます。
例えば、朝起きてコーヒー淹れる前にシャワーにしたほうが、流れがいい。みたいなことも、私たちの生活の中で普通に存在してるんですね。
ちょっと順番を変えるだけで、思いっきりパフォーマンス上がる。
そこに努力とかいらない。
これって、めっちゃ夢ありません?笑
言い方が正しいかはわかりませんが、自分自身を監視して、より良い行動改善を目指す!みたいなイメージです。
環境が一番大切
で、結局のところ、行動を作るのに一番重要なのが環境なんですね。
手の届くところに、健康に悪い食品があれば、不健康になりますし、その逆なら健康になりますよね。
よく聞きません?
成長したいなら、付き合う人間を変えたらいい。
身を置く環境を変えるだけでも、行動に大きく変化が生まれます。だからこそ、環境の力を味方につけることができるかで、自己成長も変わるんです。
時間を管理できる環境って、どんなのを思いつきますか?
・時計が常に見えている。
・リマインダーをセットできる。
・休憩時間を予定に組み込んでいる。
最近はアプリもガジェットも充実しているので、活用できるものは無限にありますね笑
時間を無駄に消費しないように、スマホを鍵かけて管理する専用金庫まで売ってますからね笑
即時報酬を出す
人の行動が繰り返されるかは、行動の直後の結果によって決定する。
っていうのが、行動科学の基本的な考え方です。
なので、そこに心理がどうとかは、まず考えなくて大丈夫(何が大丈夫なのか…)
自分自身の報酬って聞くと
・うまいものを口にする
・金銭的な報酬
・賞賛や承認
みたいなのがイメージとして湧いてきません?
実は、行動科学の報酬っていうのは
「行動が増えたか」
これを生んでいるかで決定します。
美味しいものを食べても、行動が増えなければ意味がなかった。と考えるんですね。
他に「望んだ結果」というのも、十分に報酬として機能します。
だから
時間があったらやりたいことを明確にする
というのが、めちゃくちゃ重要!なんですね。
今、これを読んでるあなたに質問しますね?
「1時間あったら何がしたいですか?」
これに応えられるようにしておいてください。
これが、あなたの行動を繰り返させる報酬になる可能性があります。
なんで「可能性」って含みのある言い方かっていうと、実際に試して、行動が増えるか確認しないと、報酬になっていると言えない。からです。
時間管理をする場合は「先に時間を確保」の習慣を作っておくと、かなり強力ですね。
あなたがしたいこと100個出して、やりたいことリストを先にスケジュールで押さえてしまう。
1年経つころは、やりたいことほとんど達成できてそうですね笑
これは、車にガソリンを入れる作業に似てます。
ただ、問題は、人間の場合は、ガソリンなしでもある程度走れてしまう。という点でしょうか?
でも、イメージしてくださいね?
そんなこと毎日してたら、普通に壊れません?
だからこそ、慣れないこと
特に、忙しい人は時間を管理することに関して、自分自身で報酬を出すべきなんです。
で、安心してください。
そのうち、休憩すること自体が報酬になりますし、自分のペースで仕事をすること自体が報酬に変わります。
よく例えで出すんですが
初めて自転車に乗る時のそれ
です。
最初はお父さんが、後ろを支えてくれて安心・安全
何なら、ペダルを漕ぐと「いいね!」なんて声掛けもあります。
で、徐々に補助輪が外れ、自分自身で前進できるようになり、コケなくなり、目的地まで移動できるように…
こうなれば、もう休憩もいらないですね。
だって好きなところに行けることが報酬なんですもん。
いわば、自家発電の自己消費。めっちゃエコ笑
これを目指して、初めて、行動というのは成立します。
最初は報酬を使ってOKなんです。
どんどん、出しちゃってください。
さて
今日はここまでにしておきます。
ありがとうございました!
元イルカの調教師で、応用行動分析学を使った行動デザインコンサルタントの櫻井 祐弥です。