「変化に強いチームがほしい」って、簡単に言うけど…
「人が変化に弱い」んじゃなくて、
「変化に耐えられるチームになってないだけ」って思ったことありませんか?
・ちょっと仕組みを変えると混乱が起きる
・新しいことに挑戦しようとすると抵抗感がすごい
・情報共有だけでエネルギーを消費する日々…
…あるあるすぎて、なんかもう笑うしかないやつ。
でも、それって「性格」や「モチベーション」じゃなくて、
チーム全体に“変化に対応する行動”が文化として根付いてないだけかもしれません。
「文化」は育つもの。しかも、行動の積み重ねから。
Googleのリサーチプロジェクト「プロジェクト・アリストテレス」では、
“心理的安全性”がパフォーマンスの高いチームの共通項だと判明しました。
でもその裏には、「安全に動ける文化」=行動に対しての反応や結果が安定している環境があるんです。
つまり、変化に強いチームは、
“行動とその反応がルール化されている組織”とも言えます。
行動科学(ABA)で見る「変化に強いチーム文化」の設計とは?
ABA(応用行動分析)では、
行動を定着させるための基本として「三項随伴性(先行刺激→行動→結果)」を使います。
この仕組みをチーム文化づくりに応用すると…
変化に強い文化がある組織の三項随伴性
- 先行刺激(変化や新しいチャレンジ)
↓ - 行動(すぐに試してみる・発言してみる)
↓ - 結果(即フィードバック・失敗しても責めない・小さな賞賛)
この流れが整ってると、チームの空気が
「とりあえずやってみよう」になるんです。
逆に、変化に弱いチームはどうかというと…
変化に弱い組織の三項随伴性
- 先行刺激(ルール変更・新ツール導入)
↓ - 行動(とりあえず様子見 or 誰かに文句)
↓ - 結果(変化が一時停止 or 反応ゼロ)
→ これ、“動かないことが強化されてる状態”なんですよね。こわい…。
厳密にいうと、これって現状維持で今までと同じ事を繰り返すことが評価される。という感じです。果たして、これに成長があるのかは疑問ですね。
じゃあ、どうやって「変化に強い行動文化」を育てるのか?
① 小さな変化に小さく反応する
大きなプロジェクト変更の前に、
「今日はこの書類の出し方を変えてみよう」くらいの小さな変化を入れてみる。
→ チームが「変化に慣れる練習」になるし、そこに即レス・即感謝をセットすると、強化サイクルが生まれます。
② “失敗の許容度”をあらかじめ設定する
「ミスしてもいい」と言うだけでは弱い。
“どのくらいの失敗はOKか”をチームで共有しておくのがコツ。
例:
・テスト施策は月に1件以上失敗してOK
・ミス共有はスラックの#よかった反省チャンネルで歓迎
→ これだけで、「動いても責められない空気」が自然にできます。
③ “動いた人”を文化の軸に据える
新しい挑戦や変化に自発的に関わった人の行動を、
見える場でポジティブにフィードバックする。
例:
・週報で「今週のチャレンジ賞」発表
・月次ミーティングで失敗報告を「一番勇気があった賞」として扱う
→ この“モデル強化”がチーム文化の中に広がっていきます。
最後に:文化は“言葉”じゃなく“反応”で育つ
「うちは挑戦を歓迎する文化です」
「心理的安全性を大事にしてます」
そう言葉で掲げても、
実際に動いたときの“反応”が整ってないと、文化は育ちません。
だからこそ、
「行動が出たとき、どう反応するか?」をチーム全体で整えること。
これが変化に強い文化をつくる、最初の一歩です。
まずは小さな変化から。
誰かが「ちょっとやってみようかな」と動いたとき、
“その場ですぐに反応する”ことから、文化は変わりはじめますよ。
試してみてね〜!
元イルカの調教師で、応用行動分析学を使った行動デザインコンサルタントの櫻井 祐弥です。